• 2021.05.30
  • インタビュー

「立ち筋トレ」がSNSで大人気 ユウトレがエクササイズ動画で心がけたファン目線、Twitterでの絆

ユウトレさん

その場で立ったまま筋力トレーニングできることで場所を選ばず、首や腰も痛めないため長続きする――そんな「立ち筋トレ」という新ジャンルの筋トレを考案し、動画を各SNSで発信したところ大ヒット。同テーマの書籍も発刊され、一躍人気のエクササイズ系インフルエンサーとして活動しているのがユウトレさんです。

現在YouTubeチャンネルの登録者数は12.5万人、Twitterは11.3万人、Instagramは1.7万人(2021年5月時点)というフォロワー数を誇っていますが、本格的にSNSに参入したのは2019年1月。当時はさまざまなエクササイズ動画がSNS上に投稿され、多くのパーソナルトレーナーたちがファン獲得を目指してしのぎを削っていました。

SNS運用や動画配信の知識がまったくなかったユウトレさんは、YouTubeで人気が伸び悩むなか「立ち筋トレ」シリーズを発案したといいます。支持されるエクササイズ動画を作るうえで心がけてきたことは何か、各SNSはどのように使い分けているか。人気と実力が定着するまでの道のりを、ディレクターのナカヤさんもお呼びして伺いました。

ユウトレさん
ユウトレさん

●仲間の助けを借りて、Twitterで0から始めたエクササイズ動画

――ユウトレさんは、もともと大手フィットネスジムでトレーナーをされていたそうですが、どういった経緯でエクササイズ系インフルエンサーになられたのですか?

ユウトレ: キャリアの途中からフリーランスでパーソナルトレーナーを始めたとき、おのずと集客を意識する必要が出てきまして。まったく手をつけたことのない分野だったので悩んでいたところ、すでにTwitterのフォロワーが3万人いたトレーニングの師匠が、SNSの運用についてアドバイスをくださるようになったんです。そこから、「疲れた〜」といったプライベートなツイートしかしてこなかった個人アカウントを、ちょこちょこ運用してみるようになりました。

ユウトレさんのTwitterのメインアカウント
ユウトレさんのTwitterのメインアカウント(取材当時)

――現在3つアカウントをお持ちですが、メインアカウント(#ユウトレルーム 1000人以上のご参加、感謝!@yutore10byo)のフォロワーは現在10.9万人(取材当時)。順調に伸ばすことができたのでしょうか。

ユウトレ: 2019年1月に運用を開始して、300人だったフォロワーが半年で4万人まで増えました。当時は基本的に、エクササイズ動画を載せるだけでしたね。そのなかで僕なりに意識したことは、「1ツイート内に、どれだけ短くトレーニング動画を収められるか」。

当時からすでにエクササイズ系のアカウントはいくつもあったんですが、初心者目線で見てみると、長くわかりにくい印象がありました。トレーナーあるあるだと思うんですけど、ポイントをできるだけ盛り込もうとしてしまうという(苦笑)。そこで逆張りをして、10秒のシンプルな動画に徹底したんです。そうするうちに、1万いいねくらいの小バズりが頻繁につくようになりました。

――たしかに、ユウトレさんのトレーニング動画のツイートはシンプルでわかりやすいですよね。その合間にちょこちょこ挟まれる、ダイエットビギナーの女性や子育て中の主婦をいたわるメッセージが優しくてグッとくるという。

ユウトレ: ありがとうございます(笑)。メインフォロワーさんが30~50代を中心とした女性、さらには主婦の方も多いので、特にその方たちに寄り添えるように心がけています。

ユウトレさん

ユウトレ: ただ、正直僕一人でここまでフォロワーを伸ばすことは難しくて……。大学時代のコンビニのアルバイト仲間だったナカヤに客観的な意見をもらっていくうちに、がっつりディレクターとして入ってもらうことになりました。

ナカヤ: バイト時代から弟のようにかわいがっていたので、私が先にマスコミ業界に就職してからも、ユウトレの進路相談に乗っていたんですよ。あるときフリーランスのパーソナルトレーナーになり、積極的にSNSで発信を始めると聞いて、メディアに携わる身としては放っておけず……企画会議を始め、今に至ります。

最初は一緒にアカウント名を考えたり、髪色を金髪にするようにアドバイスしたり。服装もコーディネートしたよね、「タンクトップはやめなさい」って(笑)。

ユウトレ: そうそう(笑)。僕はずっと黒髪でしたし、普段身体のラインが出る格好でトレーニングをしていたんです。でも、ナカヤから「金髪のほうが若々しさが強調されるし、フィットネス業界でも目立てるのでは」「筋肉が目立つと“この人のトレーニングをすると、わたしもマッチョになってしまうのでは(汗)”と心配してしまう女性もいるかもしれないから、ゆったりとしたサイズ感のウェアにしてみたら?」とアドバイスをもらって。結果、正解だったと思っています。

●「立ち筋トレ」発案のヒントになったのは、視聴者の切実な悩み

――適切なアドバイスですね。その後2019年9月にYouTubeチャンネルを開設されましたが、きっかけはなんだったのでしょう。

ユウトレ: フォロワーさんからのリクエストです。「Twitterの10秒動画だけでは飽き足りなくなってしまった」「ある程度尺のある動画を見ながら、一通り完結したエクササイズがしたい」といった声が出始めて。当時Twitterは毎日更新しており、10秒動画のストックも数100本貯まっていたタイミングだったので、いよいよ長めの動画を作ってみようか、ということになりました。

ユウトレさんのYouTubeチャンネル
ユウトレさんのYouTubeチャンネル

ナカヤ: 最初の頃は、やはり全然再生回数も伸びなかったんですよね。プラットフォームが変わった途端に方向性がわからなくなって、3カ月くらいは「別にユウトレじゃなくてもいいじゃん」みたいなベーシックすぎる種目を淡々と流していた。「このままじゃダメだ」とくすぶっていました。

ただ、人が飛びつく企画には「日本初」みたいなキャッチーなフレーズが絶対に必要だと思っていたので、ヒントを探るために海外のエクササイズ系動画をひたすら見に行っていましたね。海外で人気のものを日本に持ってきたら「日本初」になるかなと。注目される要素の一つだと思ったんです。

ユウトレ: それを参考にして、海外で流行している「歩き筋トレ」「スロトレ」といった目新しい種目を取り入れてみたんです。でも、意外と日本人には刺さらないことがわかって……。試行錯誤しながら視聴者さんのコメントを改めてじっくり読むようにしたところ、一般的な「寝姿勢」で行う筋トレにストレスを感じている方が多いことに気づきました。

ユウトレさん

ナカヤ: 具体的なコメント例だと「部屋にスペースが足りない」「子どもが上に乗っかって集中しにくい」「寝たまま腹筋をすると首が痛くなる」など。そこからヒントを得て、立ったままでもできる筋トレがあってもいいよね、と思いついて生まれたのが「立ち筋トレ」でした。

――海外から輸入してトライ&エラーを重ねつつ、視聴者のニーズを重視した結果だったと。

ナカヤ: 2020年の1月に初めて立ち筋トレの動画を出したところ、過去最高速度で再生回数が伸びたんです(※2021年5月時点で60万回以上再生)。そこからは、いろいろなバリエーションの立ち筋トレを考案し、ひたすら動画をアップするようになりました。チャンネル登録者数も順調に増え始めましたね。

初めて投稿した立ち腹筋の動画

――「立ち腹筋」、確かにキャッチーですよね。ナカヤさんのおっしゃるように、やはり目を引く企画、同時にキャッチーなタイトルづけは必須と言えそうですね。

ナカヤ: 印象に残りやすい“4文字“だったり、言いやすさや「これってなんだろう?」と興味を惹かれるようなワードを考えるのが好きで。Google検索で引っかかりやすいようにSEOも考慮しつつ、かつキャッチーなものにしています。ちなみに最近ウケているなと肌で感じているのが「膝パカ」で。そこからカタカナってかわいいなぁと思い、さらに考案したのが「足パタ」です。これらも立ち腹筋のようにヒットすれば良いのですが…(笑)

「地獄の」という強めのタイトルも以前よく使っていて、好評でしたね。「【30日で変わる】下腹痩せを叶える地獄トレーニング 2020年ver」は50万再生を超えました。普段新しい企画を考えるときによくテレビやラジオから情報を得ているんですけど、意外とトレーニングに関係がないような番組からヒントを得られたり。その上で、いかに視聴者の心に刺さるか、といったところも意識するようにしているんです。

●トレーニングのナレーションは短く簡潔、かつ視聴者に寄り添う

――心に刺さりやすい点でいうと、ユウトレさんの動画の特徴としてナレーションのシンプルさがあるように思います。簡潔な分、ポイントが印象に残りやすいですよね。

ユウトレ: もともとしゃべるのがあまり得意ではないということもあるんですけど(笑)。Twitterでの動画投稿でも意識していますが、できるだけセリフは少なく、短く。トレーニングに集中しているときにあれこれ語られても、結局は耳に入ってこないのでは? とナカヤと話していて。1種目のトレーニングにポイントが3つあるとしても、僕の場合ゆっくり話して10秒以内におさめるように決めています。

ナカヤ: 筋トレに関して膨大な知識を丁寧に時間をかけてお話しされているYouTuberさんはすでに大勢いらっしゃるので。ユウトレの動画は、繰り返し飽きずに視聴して、毎日のトレーニングの手助けにしてもらえることを第一に考えて作っています。さらに、一般の人が聞きなれない専門的な用語を使わないよう意識していますね。

ユウトレ: ナカヤはトレーニングに関しては素人なので、ナカヤに伝わらなければ視聴者にもきっと伝わらないんですよ。だからナレーションの台本をまず僕が作り、必ずナカヤに見てもらってわかりにくいところは修正する、という分担をしています。

ユウトレさん

逆に、ナカヤが提案してくれた新しい企画に対しては僕がトレーナー視点で監修して、具体的なメニューに落とし込んでいく。互いに補いながらやっています。

――チームワークですね。ちなみにナレーションの最後に、「これで“さらに”美脚が作れますよ」といったセリフがよく出てくるじゃないですか。「さらに」というさりげない一言が、今の自分も肯定してもらえた気がして、温かいなと感じるんですが……。

ナカヤ: かなり考え抜いてナレーションに加えた一言だったのですごく嬉しいです! 基本的には、誰もがそのままで十分だと私は思っているんですよ。その気持ちを少しでも伝えたい、という私の心の現れです。

●サムネは「キャッチーな言葉」+「得られる効果」を10文字で

――そのほか、視覚面などの工夫についてはいかがですか?

ナカヤ: テレビ的な“画面の見やすさ”は意識しています。YouTubeっぽい画面のにぎやかさやノリのよさも大事ですが、「見せたいものがしっかり見えていること」が私の一番のこだわりです。たとえば「かかとが上がらないように注意して」というテロップがかかとに乗っていたら、当たり前ですが不親切ですよね。さらにテロップを表示させる時間もやや長めにしています。文字数やタイミングにもよりますが、5〜6秒は最低出すようにしていて。とにかく見やすさに注意を払っています。

ユウトレ: サムネの作り込み方も、初期の頃と随分変わったんじゃない?

ナカヤ: そうそう、初期はとにかくユウトレのビジュアル一本で勝負してた(笑)。でも、初めて見にくる視聴者さんは別にユウトレのファンではないと気づいて以来、その路線はスパッとやめました。最近では「キャッチーなワード+どんな効果が得られるか」をだいたい10文字くらいに入れ込んで、サムネ全体にインパクトを出すように工夫しています。

ユウトレさんのYouTubeチャンネルのサムネイル一覧
ユウトレさんのYouTubeチャンネルのサムネイル一覧

ただ、もちろんユウトレメインの方が良いサムネもあるので(立ち腹筋など)臨機応変に考えています。

――なるほど。編集もすべてご自分たちでやっているんですか?

ナカヤ: はい。もともと触り程度ですが、テレビ局で「EDIUS」という映像編集ソフトを使って編集をしていたので……。ただ、一から編集しようと思うと大変で。本当は「Final Cut Pro」とかを使いこなしたいんですが、なかなか勉強の時間も取れないので、今はiPadで「LumaFusion」というソフトを使ってなんとかやっています。現在、動画編集スタッフを絶賛募集中です。

●トレーニングに徹するYouTubeと、ファンと絆を作るTwitter

――現在はYouTubeの更新を週2〜3回、Twitterの更新は変わらず毎日行っているほか、Instagramも活用されています。ユウトレさんにとって、それぞれの比重や位置付けは?

ユウトレ: そうですね、僕にとってはやはりTwitterの存在がすごく大きいです。というのも、YouTubeの動画再生数が伸びるかどうかは、大半の場合Twitterの反響次第なんですよ。アナリティクス(※どこからアクセスがあったかなどをチェックできるサービス)を見ても、視聴者の3~4割ほどがTwitterからの流入というのが現状です。

――YouTubeではなくTwitterから配信活動を始めた経緯もあるからでしょうが、フォロワーさんとの関係構築がかなりうまくいっているということですね。

ユウトレ: そこはもう絶対の絆があると信じています(笑)。お話したように、僕はYouTubeでは多弁な方ではないですし、人となりが見えにくいと思います。

一方でTwitterでは、筋トレ動画の発信だけではなく、メンタル面を応援するツイートを定期的にしてます。結局、ダイエットを続けるためにはメンタルが大切ですので。月1回ほどライブ配信も行なっていますが、ありのまましゃべっている姿に「ユウトレさんとの距離が縮まった気がする!」と言ってくださる方も多いです。

ユウトレさん

ナカヤ: 「ユウトレさんって、笑うんだ!」というコメントもよくいただきます(笑)。有料のオンラインサロンの活動もあるので、そこまで頻回に無料のライブ配信を増やすことはしていません。

一方で、最近はFleet機能(※2020年11月からTwitterに実装された、24時間で自動的に消える投稿機能)でユウトレが食べているラーメンやスイーツの写真をアップロードしていて。「トレーナーなのに高カロリーなものを食べていて親近感がわいた」という反応をいただくこともあり、垣間見えるユウトレらしさがファンを生むのかなと感じました。

●「ただフォロワーや登録者数の多いだけの人」で終わりたくない

――Instgramの運用についてはいかがでしょうか。プライベートショットも増えているように見えます。

ユウトレ: 以前はあまり自分らしさを全面に出さないようにしていたんですが、いまはYouTubeのちょっとしたまとめ+プライベートカットなどを載せています。

ユウトレさんのInstagram。エクササイズ動画に加えて、オフショットも織り交ぜている
ユウトレさんのInstagram。エクササイズ動画に加えて、オフショットも織り交ぜている

ナカヤ: コーヒーを飲んでいる横顔のアップとかね。一時期、ユウトレが「立ち筋トレのファンはたくさんいるけど、僕自身のファンってどれくらいいるんだろう」と悩んだ時期がありまして……(苦笑)。

ユウトレ: 恥ずかしいな(笑)。でも発信する上で、いかにアクティブユーザーが多いかというのはすごく大事なことだと思うんです。「ただフォロワーや登録者数が多いだけの人」では寂しいので、できるだけコメントをたくさんいただけるようになりたい。特にYouTubeに関してはまだまだ新参者なので、コメントは一つひとつしっかり読んで、できるだけすべてに反応できるよう努力しています

ナカヤ: 素のユウトレを出すようにしてから、Instagramのコメント量はたしかに増えて「眠っていたファンがこんなにいたんだ」と実感しています。また、ちょうど今日YouTubeの認証マークもいただけて、より気持ちが上がってきたところです。

――少しずつブランディングの手法も変化させてきたユウトレさんですが、今後の目標があればお聞かせください。

ユウトレ: とにかく目の前の活動を一つずつ、しっかり取り組んでいくことですかね。

プロテインをプロデュースすることにはとても興味があります。10年以上プロテインを愛飲しているなかで“本当の理想のもの”に出会えてないんですよね。甘いフレーバーが主流ですが、サッパリとした飲み心地で人工甘味料がゼロ、1キロ2000円台の低価格でありながら、もちろんおいしく高タンパクなものを作りたいです。

ナカヤ: 私は、飲食店さんにサポート資金をお送りしながらコラボレーションをしたいですね。コロナ渦でさまざまな業界が大変だとは思いますが、これまでユウトレが「ダイエットは食事が大切」と何度も話していたので。

インフルエンサーとしてお店の宣伝をさせていただき、ダイエットに最適なタンパク質中心のメニューをユウトレと考え、それをネット通販で全国に届けたいです。

――オフラインにもさまざまな形でユウトレさんの活動が広がっていきそうですね。動画配信者としてはいかがでしょうか。

ナカヤ: みなさんよくおっしゃることですが、とにかくたくさんの動画を出し続けていくなかで「このコンテンツといえば自分」と誇れるものをいかに探り当てるかというのが配信の難しさでもあり、醍醐味でもあると思っています。立ち筋トレに続く人気コンテンツを探るべく、今後も日々試行錯誤していきたいですね。

ユウトレ: 常に、応援してくださっている方にワクワク感を抱いていただきたいです。スターバックスって、いつの時代もみんな新作が待ち遠しいですよね。おこがましいですが、そんな存在になるためにさまざまな仕掛けをして、僕自身もみなさんと楽しみながらトレーニングを発信していきたいと思っています。

ユウトレさん

(取材・執筆:波多野友子 編集:黒木貴啓/ノオト)

プロフィール

ユウトレ

立ち腹筋考案者

話題沸騰中の「立ち腹筋」考案者であり、SNS総フォロワーは約26万人(Twitter・YouTube・Instagram)。
2019年秋から始めたYouTubeは、合計1500万以上再生(5月25日時点で15,346,741回)。
毎日SNSで更新する自宅トレーニングは、時短で効果絶大と好評。メンタル面をケアする多くのメッセージに『寄り添う姿勢にまた頑張れる』と支持され、宅トレ人口を増やす。
去年11月発売『立ち腹筋』はamazonベストセラー1位を獲得(全書籍のなかで1位)。 Twitterでの立ち腹筋ツイートでも、約12万のいいねでバズる(https://twitter.com/yutore10byo/status/1304262146142990336 )。

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